カフェイン
カフェインとは
カフェインはコーヒー、コーラ、緑茶や紅茶などに含まれる成分で、覚醒作用があることで知られています。
眠たくなった時に、コーヒーやカフェイン入りのエナジードリンクを飲むと眠気が取れた経験は多くの人があると思います。
しかし、カフェインには覚醒作用以外にも運動パフォーマンスの向上や脂肪燃焼など、様々な効果があります。
カフェインはクレアチンと同じく、100%のパフォーマンスを120%にまで引き上げてくれるようなエルゴジェニックエイドの一つです。
極端な大量摂取は最悪の場合は死に至ることもあり注意は必要ですが、適量を守ればダイエットやトレーニングの強力な味方になってくれます。カフェインによる運動パフォーマンスの向上は多くの実験や研究で、その効果は明らかになっています。
2003年までは世界アンチドーピング機構(WADA)はカフェインを禁止薬物としていましたが、現在は禁止薬物ではないため多くのサプリメントに配合されています。
カフェインの効果は下に示すように色々あるのでカフェインを含むサプリメントも、カフェイン単体、脂肪燃焼系のサプリメントとしてカフェインを含むもの、プレワークアウト・ドリンク用としてカフェインを含むものなど、色々なタイプの製品があります。
カフェインの効果
覚醒作用
誰もが知っているカフェインの効果の一つで、眠気や疲労感を軽減してくれます。
脳の中で「アデノシン」という物質と「アデノシン受容体」が結びつくと眠気を感じるようになります。カフェインはアデノシンと構造が似ていてアデノシ受容体と結びつくことができます。カフェインがアデノシン受容体と結びつくと眠気は誘発されません。
また、アデノシンがアデノシン受容体と結合していると、覚醒や興奮や高揚感を促進するドーパミンの働きが抑えられますが、カフェインがアデノシン受容体と結合するとドーパミンの働きが抑えられないので、覚醒や興奮が起こります。
筋力増強
筋肉が収縮する時、筋小胞体という袋状の組織からカルシウムイオンが放出されることによって、収縮が起こります。カフェインはカルシウムイオンの放出を高める作用があるため、筋肉の収縮力をアップさせます。
脂肪分解
カフェインには、脂肪を分解する「ホルモン感受性リパーゼ」という酵素を活性化する作用があるので、脂肪減少を促進します。多くの脂肪燃焼系のサプリメントにカフェインが配合されています。
持久力の向上
エンドルフィンの分泌を促進したり、前述の覚醒作用などから集中力を高めたり、運動による疲労の軽減や鎮痛効果もあるので、より長く運動を続けられるようになります。特にマラソンや自転車競技など長時間の運動で、その効果は大きくなります。
テストステロンの増加
テストステロンとは男性ホルモンの一つで、筋肉量を増加させます。テストステロンの分泌は20代がピークで、加齢により低下します。カフェインはこのテストステロンを増やしてくれます。
カフェインの飲み方
サプリメントの過剰摂取による副作用とは、極端な量を長期間摂取し続けた場合に出ることが多いのですが、カフェインは一回でも大量に摂れば副作用はもちろん、最悪の場合は急性カフェイン中毒で死に至ることもあります。
しかし、上手く活用すれば高い効果を発揮するエルゴジェニックエイドなので、摂取量に注意していれば過剰に恐れる必要はありません。
サプリメントのカフェインの含有量はブランドにより異なりますが、1食分にカフェイン100〜200mg配合されているものが多いようです。コーヒー200mlにカフェインが約120mg程度含まれるので、一般的には200mg程度だと特に副作用を感じることはあまりないと思われますが、個人差が大きいため、初めて飲む場合は念のために100mg程度から始める方が良いでしょう。
一度に300mgを超える摂取は人によってはめまい、吐き気、頭痛、不眠など副作用が出る場合もあります。1時間以内に体重1kgあたり6.5mg(60kgの人は390mg)の摂取で50%が急性症状を発症し、3時間以内に体重1kgあたり17mg(60kgの人は1,020mg)の摂取で100%が発症したというデータがあります。
ちなみに致死量は5,000〜10,000mgと言われています。
EFSA(=欧州食品安全機関)によると、カフェインの摂取量を1日あたり400mg未満、1回あたり200mg未満にすることが健康維持のために望ましいとしています。
運動の1時間前に体重1kgあたり2〜3mgのカフェインを摂ることで持久力の向上が期待できるとされているようです。
カフェインは耐性がつきやすいので、オフの日はコーヒーなどカフェインを含むものはできれば摂らないようにしましょう。
かつて、カフェインとクレアチンは相性が悪いという説がありました。
クレアチンが筋肉細胞に水分を溜め込む作用があり、カフェインは利尿作用があり逆に水分を体から排出してしまうことや、カフェインが胃酸を分泌するので酸によって変性してしまうクレアチンとは合わないというのが理由だったようですが、実際にはクレアチンとカフェインの相互作用は全く心配する必要はありません。
クレアチンの摂取期間中でも、カフェインを摂ることは何の問題もありません。