CoQ10/コエンザイムQ10
CoQ10とは
コエンザイムの綴りはCoenzymeで、co(補助の)+enzyme(酵素)=補酵素という意味です。
食べ物を消化や吸収や代謝したりする時に体内では様々な化学反応が起こりますが、その化学反応を起こすために触媒として必要になるタンパク質を酵素といいます。
酵素のおかげで消化してエネルギーを生成することができます。
酵素だけで作用するものもありますが、多くの場合は酵素だけでは働くことができず、酵素を補助する成分が必要になります。それが補酵素です。
補酵素であるCoQ10はエネルギーの生成に大きく関わっています。
CoQ10の効果
CoQ10には活性酸素を除去する働きがあります。
活性酸素は体内に入ってきた細菌やウイルスなどを攻撃するため、体にとってなくてはならない大事な存在です。
しかし、活性酸素が増えすぎると細菌やウイルス以外の正常な細胞なども攻撃して体を酸化(=老化)させてしまいます。
かつて、運動は活性酸素を増やすことになるため体に悪いと言われたことがあります。
人間は普通に呼吸をしている時でも約2%が活性酸素になるといわれています。運動(特に有酸素運動)をすることでさらに大量に活性酸素が発生するために、そう言われたようです。
しかし現在では、運動することにより、活性酸素を除去する酵素が活性化することが分かっています。つまり、健康のためには運動することが大事で、できれば活性酸素対策を行うとさらに良いでしょう。
活性酸素を除去するには抗酸化作用を持つ成分であるCoQ10やα-リポ酸やビタミンCやビタミンEなどが必要です。
CoQ10は体内に存在しますが、年齢とともにその量は減っていきます。CoQ10を含む食品はたくさんありますが、かなり大量に食べなければならないのでサプリメントで摂るのが現実的です。
そして、もう一つの効果がエネルギー(ATP)の生成です。
体を動かす時のエネルギー源はATP(アデノシン三リン酸)です。エネルギーを生成する工場とも言える細胞内のミトコンドリアで、ATPを作る時に必要なのがCoQ10です。
CoQ10が不足していると、ATPも少量しか生産できず疲労を感じやすくなります。CoQ10が十分にあると、ミトコンドリアに運ばれてきた脂肪をエネルギーに変換できるため、ダイエットや燃焼系のサプリメントにも配合されている事があります。
CoQ10は年齢とともに合成量が低下するため、特に30代半ばを過ぎたアスリートはCoQ10を摂取すると効果を体感しやすいでしょう。
他にも、不整脈などの心疾患や、歯周病や高血圧やパーキンソン病の治療などにも用いられています。
CoQ10の飲み方
CoQ10は油に溶けやすい性質(脂溶性)なので、脂質を多く含む食事の後に飲む方がより効率的に吸収されます。
CoQ10の配合量は1日当たり90mg〜100mg程度の製品が最も多いようですが、中には200mgや400mg配合といった製品もあります。
協和発酵バイオのサイトで紹介されている事例として、被験者16名という少人数の試験ではありますが、CoQ10を120mgまたは180mg摂取した場合の実験では、血中のCoQ10濃度やCoQ10酸化率において明確に180mg摂取した方が良い結果が出たようです。
※CoQ10は美容・健康のサプリメントや、ダイエット系のサプリメントにも主要成分の一つとしてよく使われています。このページでは単品製品のみ紹介しています。ダイエット・燃焼系の製品はこちらから。
酸化型と還元型
CoQ10には酸化型(ユビキノン)と還元型(ユビキノール)の2種類があります。還元型のCoQ10は日本のカネカが、世界で初めて商業生産することに成功しました。
医薬品やサプリメントの多くが酸化型です。そして、体内に存在するほとんどのCoQ10は還元型です。
そのため、酸化型は体内に取り込まれると還元型へ変換されますが、その変換能力も加齢などにより低下するため、還元型を直接摂取する方が効率的であると言われています。
還元型は酸化型に比べてコストが高くなります。またCoQ10の吸収率や、酸化型から還元型への変換も個人差があるためか、還元型がどれくらい優れているという数値化されたデータはあまりないようです。
ただ、小規模ではありますがアメリカの臨床試験では、酸化型CoQ10から還元型CoQ10に切り替えると血中のCoQ10濃度が高まったという報告があるので、やはり還元型の方が酸化型よりも効率的なようです。