ベータアラニン
ベータアラニンとは
β-アラニンは肉や魚などに含まれるアミノ酸の一種です。ヒスチジンと結合してカルノシンを生成します。
高強度の運動をすると乳酸が産生されpHバランスが崩れて酸性に傾き、疲労が蓄積していきます。その時に体のpHバランスを保ち、酸化を防いで疲労を軽減してくれるのがカルノシンです。
ではカルノシンを直接摂った方が良いのではと思ってしまいますが、カルノシンは腸で吸収された後β-アラニンとヒスチジンに分解され、その後筋肉内で再びカルノシンに再合成されるそうです。ヒスチジンは必須アミノ酸ですが、偏った食事でない限りあまり不足する成分ではないので、β-アラニンを摂ってカルノシンを生成する方が効率が良いようです。
筋トレでいつもよりももう1レップ多く挙げれた、1,500m走のタイムが縮まったなど、それまでの限界を超えて運動パフォーマンスを向上させるサプリメントを「エルゴジェニックエイド」と呼びます。カフェインやクレアチンなどがそうですが、β-アラニンもエルゴジェニックエイドに分類されます。
β-アラニンは海外では以前からサプリメントとして使われてきましたが、日本では医薬品としてしか認められていませんでした。しかし2019年3月に食品として使用ができるようになり、国内のサプリメントブランドからも製品化されています。
ベータアラニンの効果
運動時に乳酸が産生され、疲労が生じることは先にも書きましたが、具体的には乳酸が疲労の直接原因というわけではなく、乳酸の酸によって筋肉内のpHが酸性に傾く(アシドーシス)ために筋肉の収縮を妨げることが筋疲労の原因と考えられています。
そこで、β-アラニンを摂取することで生成するカルノシンによって疲労が抑制され、運動パフォーマンスを向上することができます。
同じエルゴジェニックエイドのクレアチンは「より強い力」、カフェインは「覚醒・集中」、そしてβ-アラニンは「疲労を抑える(持久力の向上)」というように、それぞれ運動パフォーマンスを向上させる理由が異なります。
β-アラニンを製品化している国内ブランドのDNSによると、400m走や中距離のスプリントを繰り返す競技(サッカーなど)などは最もβ-アラニンが効果を発揮しやすいとしています。もちろん複数のセットを繰り返すウェイトトレーニングにも効果的なので、多くのプレワークアウトサプリにβ-アラニンが配合されています。
ベータアラニンの摂り方
ISSN(国際スポーツ栄養学会)では、「β-アラニンの効果を得るには1日4〜6gを少なくとも4週間摂取することが望ましい」としています。β-アラニンの製品の多くは1食分3g程度としているものが多いようです。
β-アラニンを摂取すると、皮膚がピリピリする感覚が現れることがあります。いわゆるβ-アラニンフラッシュと呼ばれるもので、悪影響や害があるものではありません。しばらくすれば治ります。
β-アラニンフラッシュは効いてる感じがして、やる気が出るという人や、どちらかというと不快に感じる人もいるようです。不快に感じる場合は1回の摂取量を減らして、複数回に分けて摂取することでβ-アラニンフラッシュを抑えることができます
カルノシン濃度を維持するため、トレーニングをしないオフの日も摂取した方が良いです。
推奨摂取タイミングはトレーニング前、食事と一緒に、間食、特に明記なし、などサプリメントブランドによって様々なので、あまりこだわる必要はないかもしれません。
β-アラニンはクレアチンとの相性も良く、多くのサプリメントブランドが併せて摂ることを推奨しています。クレアチンで瞬発力を増し、β-アラニンで持久力を高めることで高いパフォーマンスを発揮できることは容易に想像できるでしょう。
※ β-アラニンはプレワークアウト・サプリメントに配合されているものも多いので、それらの製品はプレワークアウトのページを参照してください。こちらのページではクレアチンなどが配合された製品も幾つか紹介していますが、基本的にはβ-アラニンの単体製品を紹介しています。